20年以上放置されていたカメラとのことです。
お客様ご自身で、動作確認をされたところ、当初、巻き上げは動作し、シャッターは切れていたとのことでしたが、その後、触っているうちに、シャッターは落ちなくなり、巻き上げも動かなくなってしまったとのことでした。
モルトがボロボロにくずれてしまうような状況とのことです。
修理内容
シャッター不良
シャッター不良は、シャッターに関連するリンケージの噛み合わせ不良が主な原因でした。
噛み合わせ不良を修理した後、シャッターは切れるようになりました。
シャッタースピードについては、シャッター幕軸やスローガバナーへ注油を行った後、測定器を使い、精度の調整を行っております。
カメラ分解時に、シャッターの静音化処理も合わせて行っております。
シャッターの静音化は、リターンミラー動作時のバネの反響音の軽減処理です。
Nikon F2のシャッター音は、経年劣化と共に大きくなり、シャッターを切った後に、甲高い金属音が耳に付くようになります。
ファインダー汚れ
ファインダーの汚れについては、分解清掃を行いました。
Nikon F2のフォーカシングスクリーンは、フレネルレンズとマットと合わさり、金属枠に収まった状態になっていますが、こちらのNikon F2は、マットの汚れや傷、シミ等が酷く、洗浄しても目立つため、今回は、マットの部品交換を行っています。
露出計
露出計については、指針飛びが見られました。
修理は、接点の清掃や摺動抵抗の清掃を行いました。
修理後、指針飛びはある程度改善が見られますが、露出計の経年劣化もあり、時々、指針飛びが見られることがあります。
露出計については、測定器を使い、精度の調整を行っております。
フォトミックファインダーの上部にある露出計指針窓に曇りが生じていたため、窓の曇り除去を行っています。
墨入れ
セルフタイマーレバーと、その指標部分の墨剥げが見られましたので、墨入れを行っています。
貼り革

貼り革は貼り直しを行っています。
貼り革を剥がした際に、ボディシャーシや前板に貼り革の接着剤が、かなりこびりついていましたので、貼り革を貼り直す際は、このこびりついた接着剤を取り除いて、清掃を行った後に、貼り直しを行っています。
接着剤を取り除くことで、しっかりと貼り革が接着され、剥がれ難くなります。
修理内容まとめ
- シャッター不良修理(リンケージ噛み合わせ不良)
- シャッター幕軸注油
- スローガバナー注油
- シャッタースピード調整
- シャッター静音化処理
- 露出計摺動抵抗清掃(指針飛び対策)
- 接点清掃(指針飛び対策)
- ファインダー分解清掃
- 露出計指針窓曇り除去処理
- 露出計精度調整
- フォーカシングスクリーン分解清掃
- フォーカシングスクリーン部品交換
- 貼り革貼り直し
- セルフタイマー墨入れ(レバー、指標)
- 劣化モルト交換(フィルム室溝、ミラー受け、裏蓋、ファインダー緩衝)
- フィルム室清掃
- 外装清掃
- 各部点検

この修理レビューの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。