OLYMPUS OM-1
仕様
形式 機械式35㎜フォーカルプレーン一眼レフ ファインダー 視野率約97%(対実画面) 倍率0.92倍(50mm/距離∞) シャッタースピード B・1~1/1000秒 シンクロ速度1/60秒 測光方式 中央重点平均測光 定点合致式(CdS使用) 電源 MR9 水銀電池 x1 大きさ 幅136mm x 高さ83mm x 奥行50mm 重量 510g 発売年月 1979年(昭和54年)3月 発売価格 50,000円(クロームボディ)/ 54,000円(ブラックボディ) 修理内容
こちらのOM-1は、スローシャッターが不安定で、各部点検整備ということで修理依頼がありました。
シャッター関連
カメラをお預かりして、シャッター速度を測ると、高速シャッターは許容範囲よりも速く、低速シャッターは許容範囲よりも遅い状態でした。
1/1000秒と1/500秒は、かなりズレが大きく、測定器で測ってみると、1/1000秒は1/2000秒くらい、1/500秒は1/1000秒くらいでシャッターが切れていました。
1秒については、2秒くらいで切れている状態です。
また、シャッターは、時々、ズレがかなり大きくなることがありました。
こちらは、シャッター幕軸とスローガバナーへの注油を行いました。
また、ミラー動作もやや緩慢なところが見られたため、ミラーボックスを取り出し、ミラーボックス内の清掃とゴムダンパーの交換を行っています。
修理後、測定器を使ってシャッター速度の調整を行い、全速度域において、許容範囲内の速度が出るようになりました。
露出計関連
露出計は測定器を使って測ったところ、適正露出よりも、3.5段程度のズレが見られました。
例えば、この3.5段のズレを補正するには、ISO 100のフィルムを使用する際、カメラ側のASA設定ダイヤルの感度設定を感度設定を3.5段分補正して、[1000]に変更しないと露出計が適正露出を示さない状態です。
こちらは、かなり大幅なズレなので、露出計に備わっている内部の調整ネジでの調整範囲を超えてしまっています。そのため、露出計を分解して、修理、調整を行いました。
露出計の修理、調整後、測定器を使って精度を合わせたところ、ほぼ適正露出を示すようになりました。
念のため、露出計スイッチの接点清掃も合わせて行いました。
塗装剥がれ
マウント側から見てミラーボックス内の上部分の塗装剥がれが見れました。
こちらは、レンズを装着した際に擦れてしまい、塗装が剥がれたものと思われます。
レンズ未装着時にマウントを見た時、かなり目立つキズのため、この一部分のみ再塗装を行いました。
塗装は、一度、塗装を剥がし、下地処理をした後、3回ほど、吹き付けて重ね塗りしています。
主な修理内容は下記の通りです。
・シャッター幕軸、スローガバナー注油
・シャッター速度精度調整
・露出計修理
・露出計精度調整
・スイッチ接点清掃
・シャッターダイヤル固さ調整
・貼り革反り補修、貼り直し
・ファインダー分解清掃
・ミラーボックス内一部分の塗装剥がれの再塗装
・ミラーボックス内劣化ゴムダンパー交換
・巻き上げゴムダンパー交換
・プリズム部品交換(腐食の為)
・劣化モルト交換
・フィルム室清掃
・外装清掃
こちらの記事を見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラ修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。